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2020年2月29日 (土)

歯を失う怖い病気って?

 

 こんにちは、歯科衛生士の北村です(^ ^)

 ニュースでも毎日報道されていますが、ますます新型コロナウイルスの拡大が深刻化してきていますね。2月25日に長野県内でも初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されたと発表もあり、医療現場でもより一層の予防の意識を高めて行動しなくてはならないと感じております。

 

 さて、2月15日(土)・16日(日)に新潟で行われた『関東・甲信越支部 日本口腔インプラント学会』に所長と参加させていただきました。 所長が共同研究をしている発表もあり、お昼はお弁当を食べながらのセミナーもあって、今回の学会も朝からみっちりスケジュールが組み込まれ、充実した時間を過ごすことができました。

 16日は学会が終わった後に新潟大学へ向かい、今所長が行っている共同研究のための採血をして帰ってきました。素人感覚ですが、”研究室”に入るのが初めてだったので、少しドキドキしてしまいました。

 

 学会タイトルにも「口腔インプラント治療の今と将来」と掲げられているように、これからは人生100年時代と言われており、将来を見据えた治療をしていかなくてはいけません。

 ご本人に治療の内容を把握していただき、より良い環境で維持していただくことがとても重要なのはもちろんのこと、これからは治療内容をご本人だけではなく、もしかすると将来お口のケアをしていただくことになるかもしれないご家族にも理解していただく必要があります。

 今通院中の患者様がもし通えなくなってしまったらなど、私たちは日本が世界に先駆けて突入した超高齢社会で患者さんのこれからの将来のことも一緒に考えていく必要があるのだと改めて考えさせられることが沢山ありました。

 まずは歯科衛生士として患者さんに寄り添い、専門的なことをわかりやすく一つ一つお伝えしていきたいと思います。

 

 

 それでは以前(2019年9月12日号)のブログで「歯周病」についてふれさせていただきましたが、今日はもう少し深く掘り下げて歯科衛生士という立場からお話しさせていただきたいと思います。

 

 

歯を失う原因1位の歯周病

 

 以前にもお話ししたことがありますが、歯周病は痛みや見た目の変化がほとんどないため、ケア意識が薄くなりがちですが、実は歯を失う原因第1位!の怖い病気です。大切な歯を守るためにも、歯周病予防を行っていくことがとても大切です。

 

 そしてなんと成人の約8割が歯周病に罹っているか、その予備軍!といわれており感染者の多い病気でもあります。

 これからインプラントを考えられている方も、もう入れていただいている方も、そうでない方も!歯がある限り、ぜひ今一度歯周病について一緒にお考えください。

 

 ちなみにインプラントでも残念ながら歯周病と同じような症状が起こることがあります。インプラントの場合、名前が変わり『インプラント周囲炎』と名前は変わりますが、実態はほとんど同じ疾患と考えていただいても良いと思います。

 

 

 そもそも歯周病はどうしてなるのかというと、複数の細菌がネバネバの多糖体を作って付着した菌膜「バイオフィルム」による“感染症”によるものです。

 

 バイオフィルムはお口の中だけでなく、身近にも存在しています。例えば、台所やお風呂場の排水口などの水周りのヌルヌルしたものもバイオフィルムです。 これらは物理的に擦り落とすことで除去できますが、お口の中も一緒です。歯科では歯の表面についたバイオフィルムをご存知の通り【プラーク(歯垢)】と呼んでいます。

 

 歯垢は生きた細菌の塊で、そのほとんどが酸素の少ない場所を好むため、歯と歯ぐきの境(歯周ポケット)に潜んでいます。

この歯垢(プラーク)中の細菌が出す毒素によって、歯ぐきに炎症が起きてしまうのです。

 

 その他にも次のことも歯周病を進行させる危険因子(リスクファクター)となります。

 

 

【局所的なリスクファクター】

 

 ・歯並び

 歯並びが悪い部分は歯みがきが不十分になりやすく、磨き残しから歯垢(プラーク)がつきやすくなります。

 

歯石

 口の中の汚れや細菌が増殖すると歯垢(プラーク)が作られ、磨き残した歯垢(プラーク)は約2~3日で石灰化し、歯石となります。

 歯石が一度ついてしまうと、歯みがきでは落とすことができず、歯ぐきの炎症などを引き起こします。

 

不適合な被せ物や入れ歯

 むし歯治療などで被せものが自分の歯に合わないと、そのまわりに歯垢(プラーク)がつきやすくなります。

 

口呼吸、歯ぎしり、くいしばり、かみしめ

 口で呼吸することが癖になっていると歯垢(プラーク)ががたまりやすい乾燥した状態になります。また、歯ぎしりは歯や歯ぐきに強い力がかかり、炎症が起こりやすくなります。

 

 

【全身的なリスクファクター】

 

ストレス、睡眠不足

 ストレスが多い毎日で、食習慣や歯みがきの習慣が変わることがあります。さらには、ストレスや睡眠不足が原因で体の抵抗力(免疫力)が弱まり、歯周病が悪化しやすくなることもあります。

 

食習慣

 不規則な食生活や栄養バランスの欠いた食事をしていると、体だけでなく歯や歯ぐきにも悪影響を及ぼします。また甘いもの、やわらかいものは歯につきやすく、歯垢(プラーク)が増える原因となります。

 

喫煙

 喫煙は、血管が収縮し、脳の血管のみならず「歯ぐきの血行」が悪くなります。その結果、歯周病への抵抗力を弱めてしまいます。また、歯周病治療でも喫煙者では治りが悪いこともわかっています。

 先日の学会でも、ある統計データによると、歯周病にかかる危険は1日10本以上喫煙すると非喫煙者と比較して5.4に、10年以上吸っていると4.3に上昇し、重症化しやすくなると発表されていました。

 

全身疾患(糖尿病、骨粗鬆症、ホルモン異常など)

 

 

・その他

・女性ホルモンの影響

・薬の長期使用

・肥満

・遺伝   など

 

 

 歯周病はお伝えした通り口の中の複数の細菌による感染症です。言い換えれば、複数の細菌の合作が歯周病ともいえます。まずは、元凶である歯周病の原因菌を増やさないようにすることが大切です。成分表示をよく見て、歯周病の原因菌を効果的に殺菌する薬用成分が配合されたハミガキ剤洗口液を選択しましょう。

 

 ちなみに、当医院ではGUMやリステリンをお勧めさせていただいております。

 

 薬用成分 CPC:塩化セチルピリジニウムと、BKC:塩化ベンザルコニウム(殺菌剤) が入っているので長時間殺菌でき、歯と歯茎へコート力(滞留力)が期待できます。

 

 歯周病菌の生息場所は、歯周ポケット内の歯垢(プラーク)。これをきちんと除去することは基本中の基本です!

 歯周病の中でも初期で、炎症が歯肉(=歯ぐき)に限られている歯肉炎の状態なら、歯垢(プラーク)を取り除くセルフケアで、元の健康な状態に戻すことができます。

 

 そこでマスターしていただきたいのが「毛先みがき」です。これまで歯の表面だけ磨けばいいと意識していた方も、歯と歯ぐきの境目にハブラシを当て、きちんと毛先が当たっているか意識して磨くようにしてみましょう!

 

『歯と歯ぐきの境目を重点的にブラッシングする歯周病セルフケアを意識したみがき方』

 

 きちんと殺菌・汚れの除去は歯周病予防の基本です。

 ハブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に45度の角度であて、歯ブラシを前後に5mm程度に細かく動かしながら軽い力で磨きましょう。

 

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 ちなみにインプラントの場合、上物(歯の形をした部分)が丸みをおびた形になっている為、逆に毛先を下から上に向けて磨いた方が歯ぐきとの境をよく磨けることもあります。歯ブラシだけでは不十分になりやすいので、タフトブラシという毛先が束になって尖っているものを使い、仕上げ磨きをしていただくことをお勧めしています。また歯と歯の間が広くなってきている方の場合は、隙間に歯ブラシの毛先が届きづらいのでご自分の歯間の幅に合ったサイズの歯間ブラシをお使いいただくことをすすめています。もしわからない場合は、メインテナンス時に何なりとお尋ねくださいね。

 皆さんに合ったサイズさがしのお手伝いをさせていただきます。

 

 

 

 参照:歯周病のチェックポイントと予防法、口腔ケアのABC  (医歯薬出版、1999年発行)

    歯周病と全身疾患  (株式会社 ヒョーロン・パブリッシャーズ出版、2006年5月17日発行)

 

 

 それでは最後に、今年も先週診療所の花木の中で真っ先に開花し、春の知らせをしてくれたマンサクの花の写真を載せさせていただいて、この辺で失礼いたします♪

 清々しい青空をバックに鮮やかな黄色い花弁が映え、眺めていると気持ちが自然と弾みました(^^) 花弁が変わっていて、個性があっていいですね!

 

 そしてどうぞ、みなさんコロナウィルス予防もお忘れなく、お元気にお過ごしくださいね!

 

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