« 2020年10月 | トップページ | 2021年2月 »

2021年1月29日 (金)

この御紋章が見えぬか!

所長 北村 豊

 昨秋、樹木医でもある造園屋さんに、当院の庭の木々を剪定していただいたおかげで、庭の木々は散髪に行った後の頭のようにすっきりしている。

 ツバキ、ツツジ、チャの木などをのぞいてはほとんどが落葉樹で構成されているが、その中で入口の花崗岩が敷かれた歩道脇に濃い緑色の常緑性のハート型に近い小さな葉を持つカンアオイの群落が今の時期には目に入りやすい。

 このカンアオイは、2014年に大噴火した御嶽山の麓の王滝村に住む薬剤師で薬草に精通した方からいただいたものである。もう5~6年は植栽してから経過していると思うが、群落とは述べたものの少し大きくなっただけである。

 カンアオイは古典的な植物で、古くから1万年に数kmしか移動しないともいわれてきた非常に低い分散能力を有しているからとされている。名前の由来は「寒葵」 と書くように冬でも葉は緑色で、徳川家の家紋ともなっている有名なフタバアオイに近縁であることによる。

 当院の庭にも今は亡き奈良の母からもらって当院の庭に嫁入り?してきたフタバアオイはあるのだが、ヒメギフチョウの食草となるウスバサイシンと同じく、カンアオイの仲間でありながら冬は葉が枯れてしまうため、春にでてくる瑞々しい光沢のある葉が生長してくるのが今から楽しみである。

 当院のカンアオイは庭の入口近くにあり、常緑で冬は目立つはずなのだが、「この御紋章が見えぬか!」というほどの他を圧倒するような威力はない。

68360

当院の庭の小型のカンアオイ(寒葵)

« 2020年10月 | トップページ | 2021年2月 »