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2021年2月 6日 (土)

リンゴをついばむ鳥たち

所長 北村 豊

 寒い信州では、野生動物にとっての冬は厳しい季節に違いない。人間ならテントや特別な装備がないと一夜で凍死してしまうような気温の中で逞しく生き抜いていること自体が、ひ弱になってしまった人間にとっては驚嘆に値する。

 診療所の庭にも多くの鳥たちが毎日やってきて、診療を待つ患者さんや、自然が大好きな私を毎日癒してくれている。特に大雪が降った日などは餌が探しにくくなるためか、訪問客?が多くなる。 

 通年やってくる鳥としては、スズメがいるが、多い時は40~50羽にもなることがあり、餌箱をつるした栗の木の枝には、食べる順番を待つ鳥でスズ(メ)なりになる。

 近年では家の構造も変化し、軒先の瓦の下の隙間もなくなって、スズメにとっては住みにくい世の中になっていて、受診された患者さんがあまりの沢山のスズメに驚かれることが度々ある。

 野鳥に甘すぎるかもしれないが、毎年初冬から春まで、リンゴを栗の木の枝に挿したり、使い古しの園芸用の支柱の針金を曲げてリンゴ受けにしたりして与えているが、患者さんにとっては待合室の目前で生の姿を見ることができ、喜んでいただいている。窓際には双眼鏡を2台置いてあるので、それで目前の野鳥をより近くに拡大して見れることにより、いろいろな発見もあるようである。

 鳥のリンゴの消費量は、一冬超すにはかなり大量になるが、幸いにも、そして親切にも多くの患者さんがご好意で鳥用のリンゴを持って来て下さるので、とても助かっている。これには職員一同心から感謝している。

 今年は、幸いにも自己主張が強く、他の鳥を追い払ってもリンゴを食べに例年なら沢山来るヒヨドリがほとんど来ないことで助かっている。1月には当院の庭にはほとんどリンゴを食しに来たことのないツグミがもう数週間連続で所定の栗の枝に“ここは私の縄張りだよ”とでも主張しているかのごとく刺したリンゴを食べに来ている。当然、幼稚園児のように名札を付けていないので個体識別は難しいが、おそらく同一個体であろうと推測している。

 ツグミは、日本では冬鳥で、夏期にシベリアなどで繁殖して寒さを避けて暖かい日本全国に飛来して冬を過ごす。昔は信州人の方々も沢山食べていたそうで、患者さんの中にも「あの鳥は食えばうめえんだ!」と教えて下さる人もおられるが、ずっと昔はよかったのだろうが、今は非狩猟鳥類になっている。

 診療室の治療用チェアーの窓から2mの至近距離にやってきて、リンゴをついばむ姿を生で見れるのも患者さんからいただくリンゴのおかげであり、患者さん共々とても楽しませていただいている。

 

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毎日定位置の栗の枝に刺したリンゴに飛来する冬鳥のツグミ。

iPhoneで撮影した画像のため粗くて申し訳ありません。

 

Img_2839

リンゴをたらふくついばんで腹いっぱいになっても定位置に留まるツグミ。

この場所が大のお気に入りなんでしょうね。

 

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